9/10(水)第2回「ぜったい役立つ!ママの防災力UP講座」

〜ママの目線で考えた家族防災講座〜

講師:NPO法人静岡県災害支援隊ママチーム 塩崎明子さん、鈴木千津子さん

 

お二人とも0歳児〜年中さんの小さなお子さんのママです。

実際に自分の防災バックの中身を一つ一つ紹介しながら、どのように使うのか、どう役立つのかを話してくれました。

 

・1次避難バックと2次避難バックを分けて用意しよう!

・1次避難バックは5kg以内(講師は4kgで用意)

・バックを作ったら、実際にそれを背負い、子どもを抱っこして移動してみよう!

・子どもには必ず靴を履かせて、抱っこかおんぶで逃げる!

・子どもの成長は早い、月に1回か、季節の変わり目に見直しを!

・子どもと逃げる時には、手をふさがないヘッドライトやネックライトが良い!

 

などなど、実践的なお話に参加者は真剣に聞き入っていました。

 

また、親が子どものためにできることとして

①ママが出かけるときも、同居の家族など数人に行き先を告げる。

②子どもの行き先(だれと、どこへ)をしっかりさせておく。

③2,3歳から親の名前だけではなく、祖父母の名前や住所も言えるようにしておく。

④普段からご近所やママ達とのつきあいを大切にし、自分たちを知ってもらう。

⑤公衆電話をかけ方や災害用伝言ダイヤル171の利用方法を教えてる。

などがあげられました。

 

それから、自分に何かあった時のために「エンディングノート」のような「もしもノート」を作り、子どもへのメッセージを書いておくという話も…ジーンとしました。

 

参加者からは、「防災バックの中身を具体的に目にすることができて良かった」「命を最優先に考えていきたい」「1次避難バックをすぐに作りたい」「女性、母親ならではのアドバイスが聞けて良かった」などたくさんの感想が寄せられました。

 

 

おしゃべり会

今日のテーマは、

1受講してすぐに実践したいと思ったことは何ですか?

2実践したいことリストに優先順位をつけてみよう!

3講師や危機管理課への質問

 

質疑応答コーナー

 

※(災)...NPO法人静岡県災害支援隊からの回答  (市)...磐田市危機管理課からの回答
A グループ

・アパートでの家具固定のコツは、ありますか?(穴をあけてはいけない所もあって...)

(災)家具を“固定”するというのは、地震が起きて家の外まで逃げるまでの 5~10 秒間倒れてくるのが遅くなれば良いのです。震災があった際に「家具で避難経路をふさがれない」「避難時に自分に倒れてこない」為のもので震災のすべてが終わるまで家具がそのまま残っている事を目的にしていないことをご理解ください。 それの時間が稼げるような突っ張り棒であったりゲルマットであったり、各ご自宅に合わせて固定方法をご検討ください。 特に戸棚のガラスが割れて床に散乱すると、逃げる際に足に大怪我を負う場合があります。お皿や本、置物も地震で揺れて飛んでくると凶器になります。 しかし、一旦家の外に逃げてしまえばそのあとタンスが倒れても、食器棚が倒れても問題はありません。

(市)敷くだけで転倒を防止するマットやツッパリ棒が市販されております。ただし、ビス等で 固定する方法よりも丈夫ではありませんので、寝ている場所や普段居る場所に倒れてこないように家具の向きを変えていただくことや、部屋が狭くて家具の向きを変えられない場合は、家具が 倒れてきても壁に家具が寄りかかるような位置に移動させ、倒れてきても下に空間ができるよう に配置する事を心掛けてください。できるだけ寝室だけには倒れてくる物を置かないようにしてください。

 

・車で逃げた方が良いですか?

(災)ご回答としては、お住いの地区の特性を見ていただきご判断頂くことが必要となります。 群馬大学のシュミレーションでは山間部では車の利用者の割合と正比例して犠牲者が上がっていきます。平野部では負の比例を示して、車を利用しないと犠牲者が増えてしまいます。お住いのご自宅と指定避難所の位置関係をご確認のうえ、周りの地域住民の方とご協議をしていただけると幸いです。

(市)車では逃げないでください。渋滞になってしまい、緊急車両の通行の妨げになってしまいます。また、車両で移動中に地震に遭われた場合は路肩に停車させ、鍵を車に付けたまま避難してください。後に緊急車両の通行に支障が出た場合、移動する事が可能だからです。

・家で過ごす時のコツは?

(災)在宅避難の場合、どうしても避難所生活より情報量が少なくなってしまいます。(配給・ 今後の街の見通し)。指定避難所には在宅避難者用の情報ボードが立てられるはずです。積極的に指定避難場所に顔を出して情報交換をしてください。

(市)泥棒のような犯罪者から身を守るため、家に居る事が外からわかるようにしてください。 夜は、灯をつけるといいです。留守宅だと勘違いされると泥棒の標的になり、侵入してきた泥棒と鉢合わせという事になりかね ません。また、近所の人達と行き来することを心掛けてください。この地域は人の行き来が盛んな場所だと周囲に認知されれば、犯罪者も近づくことを敬遠します。

なお、家の備蓄品がなくなり指定避難所に配給物資をもらいに行く場合、特に女性は1人で 行動しないでください。近所の方と複数で行動することで身を守るようにしてください。

・子どもの防災意識を高めるコツはありますか?

(災)日ごろからの親子間の会話を持っていただき、学校の事・進路のことをお話合い頂ける関係が整っていれば、そういった家族の会話の中に是非本日のような防災講座のお話しを混ぜていただく。お子様が小さい場合は、ご自宅やご両親の携帯電話番号を覚えてもらう。住所が言えるようになる。公衆電話の使い方を覚えるなど、日常生活の中からスタートしていただけると良いかと思います。

(市)災害時の映像や画像を見せながら話をすることは効果があると感じます。小学校や中学校で話をさせていただく機会があると、画像を見せながら話をするのですが、声をあげながら話をするお子さんがかなりおりますので、子供ながらに何か感じてくれていると思っております。今は、インターネットで簡単に映像や画像を見る事ができますので、ご活用されてみてはいいのではないでしょうか。ただ、注意して頂きたいのは“こんなになるなら逃げても無駄じゃん!”という考えにならないよう、“だから電柱から離れて身を守るようにしようね。”とか、“下校中に地震に遭ったら、必ず通学路を通って帰宅してね。”というような話をしてください。

・お勧めのおんぶ紐はありますか?

(災)避難時はおんぶではなく抱っこをお勧めしています。かつての関東大震災の際は避難しているお母さんが「気がついたら背中の子どもの首から上がなかった」という怖い話もありました。自分の 両手で守れて赤ちゃんの状態がわかるスリングは安全です。 震災に向けてだから特別なものを用意するのではなく、小さなお子様はスリングの中、使い慣れたおんぶ紐・抱っこ紐いつもの日常生活ができるよう、同じものを避難バックにもう一つ用意していただいても良いかと思います。

B グループ
・避難所を転々としたという人の話が出てきたけど、なぜ転々としたの?

(災)ここの避難所での備蓄品が尽き、また震災の影響で道路が寸断されたり物資の運搬が止まった 場合、高速道路・港等の物資の搬入のしやすい避難所に移動しなくてはいけません。 この問いに関しては市の職員の方からご回答をお願いいたします。

(市)行政の方からは「集団行動が苦手な人は移動してもらった。」という事はお聞きいたしました。物資の配給やトイレ掃除等は避難者でもできますので、お願いしてもやらない方等は他の避難者の方に悪影響も与える事から1箇所に集めたという事もお聞きいたしました。
 災害支援隊からの回答につきましては、「可能性はあります。」という事になります。避難者数が多くても少なくても同様です。避難者が多い場合は、基本的に高校や大学にも協力して頂いておりますので、そちらに移動していただきます。少ない場合につきましても管理者の負担や物資運搬の効率性を高めるため、避難者数の少ない避難所を閉鎖して拠点となる避難所を指定し、そこに移動してもらうという事は行うと思います。これは救護所においても同じことがいえます。医師や看護師が集まらなければ開設できませんので、全て開設する事はしないで、ある程度絞って開設するという事になります。
 災害時は職員が亡くなる可能性がありますので、計画に近づけながらその時の最良な方法を見つけて実施するという事になります。

・避難所に行くのはいつ?どういう基準で?

(災)各避難所、各自治体で異なります。 この問いに関しては市の職員の方からご回答をお願いいたします。

(市)基準はありません。地震時は磐田市の場合、指定避難所は震度5強以上になると開設をいたします。ただ、自治会で決めている避難所は市では把握しておりません。自治会長さんや防災会長さん には、“自宅等に住めなくて指定避難所に行かなければならない自治会の方は自治会ごとに指定避難 所に来てください。”とお願いしています。アパート等にお住まいで自治会に所属しておらない方に つきましては、地域の指定避難所にそのまま来ていただいて構いません。ただ、大変暮らしにくいも のですから、できる限りご自宅で寝起きができるよう普段からの対策をお願いします。

・避難所にいなくても食料などの救援物資をもらえるの?

(災)こちらも各避難所、各自治体で異なります。 この問いに関しては市の職員の方からご回答をお願いいたします。

(市)もらえます。ただし、発災直後から物資の配給はできません。自宅の備えも忘れずにお願いいたします。

・救護所の場所(地点)が知りたい。

磐田市のホームページで調べてみよう!

(市)磐田市のホームページ ⇒ 防災ホームページ ⇒ 避難所一覧からお願いします。

C グループ

・夏場、車内に置く防災バックに非常食などの食べ物を入れておいても大丈夫?(腐らない?)

(災)車に備える防災バックの中には救急セット・オムツの替え等の内容物にしていただき、食べ物に関しては、毎回お車に乗る際のママバックの中に入れて頂ければ問題ないかと思います。

(市)一般的な説明しかできないのですが、非常食についても高温多湿は避け、常温で保存してく ださいとなっております。夏場の車内は大丈夫かと言われると、申し訳ありませんが、入れっぱなしはやめてくださいとしか言えません。

・備蓄する水は「アルプスの天然水」のような普通に市販されているものでいいの?

災害用の方がいいの?
(災)賞味期限の違いだけで水の質は変わりません。PET の質・キャップ等の密閉度の違いです。 通常のペットボトルのお水は賞味期限約 2 年、災害用の保存水の賞味期限は約 5 年です。ご家庭に合わせた交換サイクルの物をご購入ください。

(市)賞味期限の問題です。保存水は5年以上もつ物が一般的です。割高ですので、普段から市販の水を使用しているようなご家庭であれば、備蓄品+普段から使用する分を購入していただき、備蓄分がなくならないよう古い物から使用していただければ、わざわざ、保存水を購入しなくても良いのではないでしょうか。

これは非常食についても同じ事が言えます。缶詰めや乾物等、もともと賞味期限が長いものを備蓄しておき、先ほどの水と同じように消費すれば、保存食でなければダメだという事はありま せん。

D グループ
・子どもへの伝え方を知りたい(年頃の女の子が犯罪にまきこまれない様に...)
(災)A グループ 4 の問いと同様です。日ごとからの会話の延長線上かと思います。

(市)性犯罪の事を特に考えておられると思いますが、実は性別に関係なく被害に遭います。女の子の方が遭う確率が高いというだけです。

伝え方につきましては、普段からと同じですね。知らない人にはついて行かない。大声で叫ぶ。走って逃げる。中学生以上になれば、しっかりと性犯罪が多発した事実を伝え、過ごし方につきましては、避難所にはなるべく行かずに家で過ごす。家での過ごし方については、Aグループの 3を参考にしてください。

・備蓄品の置き場所はどこがいいの?

(災)玄関やお庭の物置など、扉一枚隔てた程度のところへご収納ください。 震災直後、まず家の外に逃げて防災バックを取りに戻った際、「家の奥の部屋のタンスの中にしまっ てある」「キッチンの床下収納の中」にしまってあるでは、取りに行けないという状況になってしま います。

(市)すぐに取り出せ、避難する経路上にあるのが理想と言えます。普段使わないからと押入れの奥 にしまい込んでいると、取り出せなくなる可能性があります。

E グループ
・「もしもノート」は、どこで売っていますか?

(災)最寄りの本屋さんでお取り寄せいただくか、アマゾンでご購入いただけます。

(市)本屋さんであればあると思いますが、インターネットで購入することもできます。

・携帯ラジオは、どういう機能がついているものがいいの?

(災)最近はテレビの見れるもの、文字放送を拾うもの等ありますが、省電力で長く使えるものが一 番です。手回しのラジオが一番のおすすめです。

(市)機能はないほうがいいと思います。機能が有り過ぎると、家族の方によっては肝心なラジオ放 送を聞くにも一苦労という事になりかねません。ラジオを聞けるだけの物がシンプルでいいのではないでしょうか。

・トイレ(排泄物)の処理、消臭、保存方法はどうするのがいいの?

(災)感染症予防の為、専用の発酵剤が避難所に届くまではビニール袋に密封して保管する必要があ ります。ためておく場所がない場合に土を掘ったとしても、ビニール袋で密封したものを埋めてくだ さい。

(市)最近は災害用トイレに消臭剤がセットになった物が売っています。ただ、難しく考えるのでは なく、便であれば生ゴミと考えていただければ対策も似ております。

捨て方は生ゴミと同じようになりますので、ご家庭で普段から生ゴミを収集場所に出すとき、保管 する方法を参考にしていただければと思います。

F グループ

・家の中だけでなく、車や倉庫にも避難バックを置いておいた方が良いと聞いたのですが、食品や水 の保存が心配です。

(災)非常に大切なことです。車の中は先のご質問をご参照頂き、割愛させていただきます。 「食品・水の保存が心配です。」ということですが、やはり「買いっぱなし」「置きっぱなし」では 問題があります。講座の中でもあたように「3/11」「9/1」にテレビで必ず震災についての話題が上 がると思います。その時に、防災バックの中身の見直しをしてください。

賞味期限だけではなく、お子様の成長・家族構成の変化に伴て備蓄するものも変わってきます。

備蓄の量ですが、現在自主防災の範囲では1週間分の食料・水の保管を推奨されています。 そういった大量の備蓄に倉庫・納戸は最適です。 賞味期限ですが、缶詰は3年、レトルトは1年~3年、瓶詰は半年~1年です。

倉庫が倒壊した時を想定し、それらの備蓄は出来るだけ倉庫の奥ではなく、手前側に置いておいてく ださい。

(市)保存だけで考えると前回と同じ高温多湿を避け・・・・となります。ただ、物置のような場 所ですと、場合によっては1ヶ月間閉めっぱなしというような事になりかねません。風通しがよく なるよう、頃合いを見て戸を開ける。スノコのような物を下に敷く。といった事がよいと思います。 ただ、私個人の意見かもしれませんが、家事、育児、中には仕事もされながら家庭防災となると負担 も大変だと思います。あまり複数に備蓄品を置くと管理が大変ですので、備蓄品を複数に保管する事 も良し悪しだと思います。しかも物置や倉庫は毎年やってくる台風の被害に遭うケースは自宅に比べ 格段に高いです。

・避難所に医師・看護師の方は来てくれるのですか?

(災)地域の病院・歯科医の方が自主ボランティアで周られることもありますが、市との取り決めが あるかもしれません。

(市)指定避難所の中に指定救護所が11か所指定されており、医師はそこに来ます。場所につきま しては、前回の回答と同じで市のホームページから指定避難所を調べていただければ、備考欄に指定 救護所が明記されております。

G グループ
・ハザードマップが以前のものより危険度がさがったのはなぜ?

(市)ハザードマップの記載内容は県が代表で調べてくれるデータを参考に作成します。私どもも、

どのように調べているかの詳細についてはわかりませんが、新たに地盤を調査した結果であるとか、 人口の増減、構􏰁物が新たに建設された等膨大なデータを参考に様々な調査を行い、決めた結果と考えます。

例えば、津波の浸水被害想定も、防潮堤が整備されれば変更され、被害想定が軽減されます。

H グループ

・他の地域の避難所を利用してもいいのですか?

(災)避難所にとってですが、備蓄量の関係で地区外の方は一時避難となる場合がありますが、発災 時にはもちろん他の地域を使用しても構いません。各避難所、各自治体で異なります。 この問いに関しては市の職員の方からご回答をお願いいたします。

(市)指定避難所はどこを利用しても構いません。ただ、阪神淡路大震災時の経験で、バラバラに指 定避難所で過ごすより、近所の方が固まって指定避難所で過ごす方が治安は良いですし、知らない人 に囲まれるストレスを軽減できる等、利点の方が多いため“避難は自治会ごと”を基本としています。