いわた防災ママプロジェクト始動

「いわた防災ママプロジェクト」は、ママの家庭防災力と自助意識の向上を目指した事業で、H26年度磐田市協働のまちづくり提案事業に採択されました。

 

私たち「子どもの健康と環境を考える会」は、子どもたちがニコニコ笑顔でスクスク元気に育つことを願う母親たちのサークルで、子どもの健康に影響を与える環境リスクについて学びながら

 「気づいた人から変わっていこう!」

 「楽しくできることから始めてみよう!」

を合い言葉に、日常生活の中で母親にできる地球環境改善に取り組んでいます。      

さて、東日本大震災から3年3ヶ月が過ぎましたが、いまだに26万人もの避難生活者がいます。私たち「子どもの健康と環境を考える会」では、被災者支援の一環として、自分たちで手作りした味噌を、放射能汚染のために母子疎開している人たちへ、送っていますが、まだまだ家族バラバラで、大変な生活を強いられている方がたくさんいらっしゃいます。

 

いつきてもおかしくないと言われている東南海地震。

この巨大地震が発生した時、私たち市民を支える人はだれでしょう?

磐田市民17万人に対して、消防職員は約200人、一般行政職員は約700人。

職員さんたちも皆、被災者です。

もう「なんとかなる」では、子どもや大事な命を守ることはできません。

 

私たち、ママの願いは「子どもを守りながら災害を乗り越える力をつけたい」ということです。

どうすれば、その力をつけることができるのか…

まず、解決する課題を考えてみました。

・女性向け特にママの防災意識向上に向けた取り組みが少ないこと。

・ママや女性の目線で防災について情報収集、発信する場が少ないこと。

・地域の防災活動に責任ある立場で参加できるママや女性が少ないこと。

・原子力災害対策に」ついて考え、非常時に備える知識を得る場が少ないこと。

これらが、出てきました。

 

そこで、私たちはこの事業の中で、5つのことを実施したいと思います。

1.現状と対策を学ぶためにママを中心とした女性を対象に、講座を開催する。

 8月…「ともりあ朗読の会ぬくもり」による朗読「ママが語る大震災」報道では届かなかった被災地の声をママバージョンで。 第1回講座報告はこちら

 9月…5月に2人目を出産したばかりの現役ママ「NPO法人静岡県災害支援隊」ママチーム塩崎さんによる「ママの目線で考えた家族防災講座」 第2回講座報告はこちら

 10月…7人の子育てをしながら防災や自治会活動で活躍している「磐田市女性防災クラブ連合会」会長木村さんによる「ベテランママから学ぶ、子どもを守るテクニック」を体験セミナーとして 第3回講座報告はこちら

 11月…環境省認定環境カウンセラーであり28年前のチェルノブイリ原発事故の時に市民測定室を立ち上げ放射能と向き合ってきた「静岡放射能汚染測定室」代表馬場さんによる講演会「私たちが創る子どもの未来〜“もしも”に備えて〜」 第4回講座報告はこちら

 

講座には託児を設け、ママでも安心して学べる環境を作ります。

また、「家庭防災の日」の取り組みを紹介し、帰宅後の実施を呼びかけます。

               ↓

       知識が身に付き、自主防災会と連携できる女性が育つ

               ↓

            家庭や地域の減災

 

2.講座後の「おしゃべり会」で仲間作り

近隣地域に住むママたちでグループを作り、ワークをしながらのおしゃべり会です。地域の中でママや女性が活動するには、同じ情報を共有する人たちでネットワークを作ることが大切だと考えました。

         ↓

      <仲間がいる> ママの精神的安定→児童虐待増加対策

              地域内外の情報を共有できる

              防災について発言できる女性が増える

                       ↓

                   男性の負担を軽減

                    避難所運営の円滑化

                                    女性や子どもが被害者になるDV、セクハラ、性暴力の減少

                 

 

3.情報発信

講座で学んだ内容を冊子「いわた子育て情報誌わわわ」(※1)の防災に関するページに掲載し、たくさんのママと情報を共有します。

※1冊子「いわた子育て情報誌わわわ」は、磐田市子育て支援課が発行。出生届を提出した時にプレゼントされます。また、子育て支援センターや子育て相談室でも配布していて、引っ越してきたママたちが磐田の子育て環境を調べる時に心強い味方になる冊子です。 情報誌わわわへの掲載内容はこちら

 

4.ママや女性が自主防災組織と連携していくための環境作りを始める

行政や自治会連合会などと良い関係を作るための交流会を行い、男女、年齢、立場により、災害時に必要な支援に違いがあることをお互いに理解しあいたいと思います。

 

5.原子力災害対策を考える

私たちは、福島原発事故後、市内の公園と小中学校の土壌の放射能汚染調査を実施してきました。この調査は、これから起こると予測されている有事の際、比較できる基礎データを作る目的で行いました。今年度は、幼稚園や保育園の土壌調査を行います。そして、市民と市の財産を守るために、これらの結果を基礎データとして保存し、市民と共有したいと考えています。

また、放射能リスクを減らすための暮らし方について学び、国や行政だけに「安全の確保」を求めず、自分で考え、行動できるようになりたいと思っています。

市内土壌の放射能汚染調査結果はこちら

安定ヨウ素剤に関する意見交換会の報告はこちら

 

この事業の中では、ママたちの防災力と自助意識の向上を目指していますが、同時に、いくら知識を学んでもママ一人きりでは、子どもを守ることに限界があるということや、ママ友と同じようにお隣さんや地域の人たちと繋がり、支え合わなければ、大きな災害を乗り越えることは難しいということに気づいてもらおうと考えています。

 

また、一口にママと言っても、外国人ママや障がいを抱えた子どもを育てているママなど様々です。いろいろな立場の人と一緒に考え、誰もが大切にされる“思いやり防災”を磐田市で実現していきたいと思います。

 

H26.6月磐田市協働のまちづくり提案事業プレゼンより